私立

私立学園の入試に行った時の話。この私立学園を卒業すれば高卒になるという中学校の担任に勧められた特殊学園だ。

 

長男が目指している音楽科の高校が不合格だった場合の、いわゆる滑り止めだ

 

受験会場である学校の近くの駐車場まで車で行き、駐車場から学校まで一緒に歩いた。長男は無口だった。上目遣いになったり俯いたりキョロキョロしたり、すごく不安で、すごく緊張しているのがわかった。

 

こんな長男を見るのは初めてだった。ブラジリアン柔術の試合の前も緊張していたが、ここまでではなかった。

 

校門から学校に入っていく長男に頑張ってこいよ!と声をかけた。

長男は少し振り向いて頷いてから不安そうに校舎に入っていった。

 

しばらく校門で立って受験に訪れる中学生たちを見ていたが、いろいろな子がいた。

背が高くおしゃれでモデルでも通用しそうな子や、長男みたいな子もいれば、やんちゃそうな子、AKBにいそうな子。本当に外見だけでもいろいろな個性を持った子が受験に来ていた。

 

なかなか楽しそうな学校じゃん。でもまたイジメられるかなぁ・・といろいろ考えながら駐車場まで戻った。

 

車の中で待機中に長男には申し訳ないが学費のことを計算していた。私立なので公立に比べ学費が驚くほど高い。鞄の中あった通帳と学校からもらった学費のプリントを交互に見ながらため息ばかりついていた。赤字だ・・・

 

2時間くらい経って悩んでも仕方がないと思った。

どのみち高校には行かせなきゃならないんだ。頑張って仕事で好成績を出すしかない。

 

やるしかなかった。

 

しばらくして長男が駐車場まで戻ってきた。

「どーだった?」と聞いたら「まぁまぁ」と言った。

「問題わかった?」って聞いたら、それも「まぁまぁ」と答えた。

 

どーなることやら・・・

 

とりあえず「おつかれさん!今日は、かっぱ寿司行くぞ!」と労いの言葉を言ったら笑顔になった。

 

なんちゅー単純なやつだ。

 

そして僕と長男次男3人でかっぱ寿司へ行った。

 

6000円近くかかった。積み重なる皿・・・どんだけ食べるんだよ・・・

 

まぁ仕方がない。次の日から超粗食生活になるが・・・我慢してくれ。

 

また明日から音楽科の高校受験に向けて頑張ってくれればいいさと思いながらかっぱ寿司を後にした。