勉強する癖を身につけろ

「長男には勉強する癖をつけさせる」

 

じいちゃんが僕に口すっぱく言っていた。

 

癖をつけると言っても・・・ 悪い癖を直すのは沢山やったことあるが 、良い癖をつけたことはそんなにない。

しかも勉強する癖って・・そんなこと癖になるのか?

じいちゃんにそれを言われるたびに疑問が湧いた。

 

僕は勉強好きになるように楽しく勉強したほうが良いのではないかと思っていたが、じいちゃんは真逆だった。

 

厳しく勉強を教えていた。理解できるまで根気よく粘り強く怒鳴ったり怒ったりイライラせず、コツコツと。

 

長男はなかなか勉強が理解できず不貞腐れていた。

しかしどうしても音楽科の高校に行きたい。沢山の楽器に囲まれた高校で学園生活を楽しみたい。バカにした同級生を見返したい。そんな思いから、根を上げずに頑張って努力していた。

 

 二人が勉強してるのを見てわかったのは、じいちゃんは長男に対して

「なんでこんなこともわからないんだ!」とか「この前やっただろ!もう忘れたのか!」「ばか」「あほ」

みたいな自尊心を傷つけることは一切言わなかった。

 

とにかく理解するまでコツコツやるだけだった。

 

長男は目に涙をためる時もあった。煮え切った頭に理解できない悔しさが出てくると勉強は頭に入らない。

その時は一旦休憩。お菓子やアイスを食べて頭をリセットさせて15分後に勉強の続きを再開していた。

 

じいちゃんはマジだった。まるで自分の残りの人生を懸けているように見えた。日中は自分の記憶を甦らせるためにずっと参考書を見て勉強していた。過去問を買ってきて自分でテストしていた。すごい執念だった。ここまでやってくれているじいちゃんを見て申し訳ない気持ちと感謝の気持ちでいっぱいだった。

 

じいちゃんは言っていた。「自閉症でも目標に向かって集中して努力し続ければ波に乗れるタイミングが必ず来る」ブラジリアン柔術でも続けていたからこそトーナメントで優勝するなどの結果が出た」と。

 

 

この頃既に小6終盤の勉強をしていた。

残された時間は少ない。

受験まで残り4ヶ月。