イジメは続く

長男は毎日ピアノの練習をしているので、かなり上達していた。

 

学校の合唱コンクールや校歌の時は必ず長男がピアノ演奏していた。

 

長男が中2の時、合唱コンクールを見に学校へ行った。僕の前に座っていた女子生徒数名がピアノを弾く長男を見て「キモっ」って言ったのを聞いたときは、とても悲しくなった。

 

今の中学校のイジメは僕らの頃と違ってかなり陰湿だ。

 

長男は酷いイジメに遭っていた。

 

長男はイジメられていることを僕には、ほとんど話さなかった。

 

実家の祖父には話していたらしく、僕は祖父から情報を得ていた。

そのことは絶対に長男には内緒だった。

なぜなら、そのことを知ったら長男は祖父にも相談しなくなってしまうからだ。

情報が途絶えてしまうからだ。

 

長男が僕に相談しない理由は、僕に心配をかけたくなかったらしい。

 

確かに僕も壮絶なイジメを受けていたけど両親には話さなかった。心配してほしくなかったからだ。

 

 

それなのに……本当に僕はバカヤローな父親だ!自分も経験しているのに、なんで気づいたり察したりできなかったんだ!

 

祖父からイジメの内容を聞いた時は怒りで頭が沸騰した。

 

内容は

生徒たちが体育館に向かう途中、長男が廊下で後ろから思い切り背中を蹴られた。

振り向いても生徒が大勢いるので誰が蹴ったかわからない。みんながニヤニヤしていたらしい。

 

背中にチョークで落書きされた。

 

俯いているときに思い切り顔をビンタされた。4人ほど長男の前に立っていたが誰がやったのかわからない。

 

陰湿だった。

 

長男は他の子に比べて勉強がまったくできないし、言葉があまり出ないので言い返すこともできない。

 

彼にとって中学校はとても辛い場所だった。

 

 

 

 

とりあえずここは祖父と相談して学校に連絡をした。

 

学校は調査を開始して、2週間後、長男をイジメていた4人の生徒を特定した。

 

そして彼らは二度とイジメをしないと誓った。(その時だけ)